皮膚診断の難しさ | ナス動物病院
皮膚診断の難しさ
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1月というのに、暖かい日が続きますね。
いかがお過ごしですか?
1月19・20日は学会のため休診日です。
今回は皮膚病の症例についてお話します。
このイヌは4ヶ月以上前から、背中・お腹・肛門周囲などを痒がるということで
他院にてお薬を処方されましたが、ぜんぜん治らないということで
紹介で遠方より来院されました。
初診では痒み・フケが激しく、全身が赤くなっていました。
腹部には硬結も観察されました。
市販のシャンプーを頻用していたこともあり
よく目にする膿皮症を疑い、いつもの皮膚検査を行ないました。
ところが、皮膚生検(細胞を取って検査することです)を行なって
治らない原因がわかりました。
なんと皮膚型のリンパ腫という悪性度が非常に高い皮膚ガンでした。
リンパ腫は珍しい皮膚病です。
臨床でお目にかかることが少ない皮膚病です。
しかし治療を行なわなければ、全身に転移し1~3ヶ月で死に至ること
一般的な制癌剤の効果がないなど、とても予後が悪いガン
に分類されています。
このガンには一般的な制癌剤が効かないことから
海外ではロムスチンというお薬が使用されています。
この薬は、日本未発売ですぐに入手できませんが
幸運なことに、友人の獣医師がこの薬を使用しており
当日、投薬することが出きました。
今後の経過に期待したいと思います。
このように、たかが皮膚病でも診断が遅ければ
死に至る病気もあります。
皮膚疾患の初期には同じような病変が見受けられるため
鑑別診断がつかないことも、あります。
なかなか治らない皮膚病には要注意です。
080111