ウサギの歯科疾患について
ウサギの下顎膿瘍
ウサギの顎膿瘍は予後が悪く、再発率が高い病気です。
歯の不正咬合や歯根伸長などが原因となり、局所に細菌感染を起こし膿瘍となります。
治療法としては、抜歯や水酸化カルシウムペーストの創内充填や
炭酸ガスレーザーでの組織蒸散などを行います。
症例1
症例2
下顎の臼歯の歯根伸長(歯が下顎骨を突き壊します)により、膿瘍を形成しました。
ウサギの切歯・臼歯の不正咬合
ウサギの歯は生涯に亘り伸び続ける、常生歯です。
通常、上下の歯が咀嚼により磨耗することによって、歯の長さが調節されています。
それが最近では、牧草より乾燥ペレットが多く給与され咀嚼の回数が大幅に減少し、
磨耗による歯の長さの調節が困難になりました。
症状は歯ぎしり・よだれ・食欲不振・体重減少などです。
治療として不正咬合がみられる場合、定期的に歯冠の切断や切削を行う必要があります。
ニッパ、ワイヤーカッターなどでも切ることができますが、根尖の歯胚組織に損傷を与えることがあったり
縦割れを起こしたり、などの理由から、使用しません。
治療は歯科用デンタルユニットを使用し、切削用のバーで切削します。
予防としては咀嚼を多く必要とする乾草を主体とする食餌変更です。
症例1
切歯の外傷により、歯冠が破折しています。切歯の切削だけで、予後良好でした。
症例2