症例

ネコの口内炎(重度)

ネコの口内炎の症例を紹介します。
  

この猫は他院にてステロイドの持続投与をされていましたが
効果がなくなってきたということで、紹介を受けました。
 

見るからに激しい潰瘍性口内炎を起こしています。
(ステロイド持続中です)
レントゲンでは歯の溶解と歯周病がで確認できます。
このような状態でステロイドや抗生剤、
歯石除去しても、何の治療にもなりません!
 
 


 


 


 


 


 

 
このブログで何度もお話していますが

このような、口内炎の症例にステロイドや抗生剤・インターフェロン・その他もろもろを投与しても

一時的な効果しかなく、ステロイドを中心とした薬剤を持続的投与する結果になります。

そのため、糖尿病やクッシングなどの内分泌の病気に陥る

最悪の結果を招きます。
 
 

現在、口内炎の治療で定期的に注射をされているオーナーさんは、きわめて多いと思います。

ぜひ、歯の詳しい先生にセカンドオピニオンを受けてください。
 

この症例では、犬歯以外の歯を全抜歯しました。

治癒までの時間は数か月かかりましたが、今では見事なほどに完治しています。

犬の臼歯破折の2症例

先日行った、臼歯の修復の症例です。

共に、固いオヤツが原因で、破折してしまいました。
 

症例 1
 

 

 


  

症例 2
 


 


 


  
 
 

破折からの時間が短ければ、修復処置は成功します。

たまには、口の中を覗いてみてください。

犬  犬歯の内歯瘻

今回のワンちゃんは、10歳のプードルです。

基礎疾患として糖尿病の治療を継続しています。

糖尿病によって,重度の歯周病を発症します。

犬歯に内歯瘻が認められたため、手術を行ないました。


 
 

今回は犬歯と臼歯を含め、10本の抜歯を行ないました。

歯肉炎の部位は炭酸ガスレーザーで広範囲の蒸散を行なっています。
 
 


 
 

 
 
2時間以上の麻酔でしたが、覚醒も良好でした。
このように、糖尿病などの基礎疾患を伴うと、歯周病は一気に悪化してしまいます。
しかし、糖尿病のコントロールが上手くいっているペットでなければ、麻酔のリスクが高すぎます。
この辺が、手術の難しさだと思います。

ネコの歯周病(ネックリージョン)

今回もネコの歯周病の症例を紹介します。
 

飼い主さんが、よく口にする症状として

「口臭が気になるんですけど」

「食べる時に頭を振る」

「口をくちゃくちゃする」

などが代表的です。
 

これって、単なる歯肉炎なのでしょうか?

歯石除去だけすれば治るのでしょうか。

答えはNOです。

犬や猫は単なる歯肉炎程度では、症状を表しません。

そこが問題なのです。
 

その原因を探るためには、レントゲンが必須です。

レントゲンを撮るためには、麻酔が必要です。

ということは、歯科処置には麻酔が必須と言うことです。

  

  

今回の症例は、中等度の歯肉炎は起きています。

よく見ると、歯冠の表面に歯肉が覆っているのが確認できます。

と言うことは、歯冠のとけた部分(ネックリージョン)を補うために歯肉が上ってきたことが予測できます。

こうなると、レントゲンの出番です。

あらゆる角度から撮影し、歯冠や歯槽骨の吸収像を確認します。

  

  

これにより、確定診断を下し、手術に入ります。

このネコは、若いながら重度の歯周病とネックリージョンのため抜歯になります。

レントゲンで確認しないで、歯石除去だけ行なっても、病気は絶対に治りません。

何度もいいますが、歯科処置にはレントゲンが必須です。

犬の歯周病

イヌの下顎の臼歯の様子です。
一見、大した事なさそうな病変でも
歯科レントゲンを撮ると、歯周病がとても進行していることがあります。
 
 
 
 

 
 

  
この症例は若い子なので、
歯肉切開後、歯石を取り除き
骨補填剤を入れて縫合しました。
高齢だと、抜歯した方が、予後は良いです。

ネコの歯周病

今回は、ネコの歯周病を紹介します。
 

症例は8歳のネコちゃんです。

食べる時に口を気にするということで、来院されました。

左右の上顎および下顎に歯周病巣が確認できました。
 
 

左側
 


 
 
 

右側
 


 
 

程度の差はあれど、重度の歯周病です。
 

この症例は、今後のことを考えて、全臼歯抜歯を行ないました。

口鼻瘻管の治療(犬歯抜歯)その後

今回は口鼻瘻管のために、抜歯手術をした手術の様子と

その半年後の写真です。
 

この犬は口鼻瘻管のために、左右の犬歯を行ないました。

見た目には、かなり綺麗な口腔内の所見です。

歯周病巣があるように思えません。
 


 


 
 

ところが、麻酔下で上顎犬歯の内側のポケットを確認すると

歯周ポケットが、非常に深いことが分かります。
 
 
 


 


 
 

これが原因で、くしゃみを引き起こしていました。

左右の犬歯を抜歯します。

 


 


 


 
 

半年後の写真です。

症状はすぐに無くなり、予後は非常に満足に行く結果でした。

 


 


 
 

このように、犬歯の外側のポッケトは正常でも、

内側部に大きな欠損が見られる症例は非常に多いです。

この程度の歯周病では、抜歯による予後はとても良いのですが

重度歯周病巣の犬歯抜歯は、テクニックを要します。

ウサギの下顎膿瘍

今回はウサギによく見られる、下顎の腫れについて。
高齢のウサギになると、下顎を触った時に凸凹していることがあります。
これは歯根伸長といって、歯が下に伸びた結果です。
 

こうなると、歯が骨膜を圧迫し痛みが生じます。
進行すると、下顎を突き抜けて感染が起こります。
これが、下顎膿瘍です。
 

今回の写真は、その重症例です。
  
  

 
 
 

下顎に大きい骨の隆起が確認されます。

ネコの根尖病巣

今日の金環日食、広島でも綺麗に見えました。
皆さんの所ではどうでしたか?
 

今回はネコの根尖病巣からの内歯瘻です。
詳しい説明は無しにして、写真をご覧ください。
 
治療は抜歯もしくは抜髄になります。
  
 

全臼歯抜歯

全臼歯抜歯の症例です。

15歳のネコちゃんです。
 

術前
 


 

術後
 

 

経過が楽しみです。

ネコの歯頚部吸収病巣

5月に入り、診察までの待ち時間が非常に長くなっています。

ご了承ください。
 

今回はネコの病気としてはとても多いケースです。

写真を見て、どこが変かわかりますか?
 


 

お分かりになれば、相当の歯科通ですね。

次のレントゲンをどうぞ。
 


 

レントゲンを見れば、一目瞭然ですね。

正常なのは、真ん中の歯だけです。

左右の歯は既にかなり解けていて、歯肉が覆っています。

典型的な、歯頚部吸収病巣の画像ですね。
 

このように、一見なんでもないように見えて、かなり重症なんて歯科の世界では

よくあることです。

ちょっと口腔内を診て、大丈夫なんてなかなか言えません。

ちなみに、この仔は痛みはありませんでした。

 
処置としては、抜歯もしくは歯冠切除(厳しい条件付)になります。

歯の修復

4月に入り、狂犬病注射やフィラリアなどの予防が始まりました。
特に日曜日は非常に込み合い、長い時間お待ちいただくことになります。
ネコちゃんや、歯の相談などの一般診療はできるだけ日曜日を避けてください。
よろしくお願いします。
 

今回はイヌの臼歯の修復の症例です。
かなり前に破折した臼歯の抜髄・修復を行ないました。
 
 
 
 

 

この後は通常通りの、修復を行ないます。

このような、重度なケースは、今後の歯肉炎の発症や

根尖病巣の定期的な観察が必要です。

ページトップへ