口腔内腫瘍
歯肉腫(エプーリス)
犬では口腔内腫瘍の約25%を占めます。
歯肉腫は歯根膜から発生する増殖性病変で、良性腫瘍に分類されますが、
種類によっては局所浸潤性があり、骨破壊を起こし、再発をします。
そのため、切除後の病理検査が必要です。
写真は外科手術と炭酸ガスレーザーの併用により、切除したものです。
予後は良好でした。
犬の悪性黒色腫
口腔内に発生する黒色腫は皮膚の黒色腫と異なり、ほとんどが悪性です。
その成長度は早く、早期に周囲の歯肉や骨に浸潤します。
最終的にリンパ節や肺に遠隔転移を起こす転移性の高い腫瘍です。
発症年齢は11~12歳と高齢に多く、雄に発生が多いとされています。
無治療の場合中央生存は2ヶ月との報告があります。
この症例は、炭酸ガスレーザーにより腫瘍を切除を行い(写真右)放射線治療の予定です。
猫の扁平上皮癌
猫の口腔内に多発する腫瘍は扁平上皮癌で、口腔内腫瘍の60%を占めると報告されています。
舌の付着部に多く発生し、平均年齢10~12歳、性差、品種差は、ないとされています。
局所浸潤性はかなり強いが、遠隔転移は低い。
犬の扁平上皮癌と比較して、いずれの治療を行っても予後不良な場合が多く、
1年生存率が10%と悪性度の高い腫瘍です。