ネコの歯周病(ネックリージョン) | ナス動物病院
ネコの歯周病(ネックリージョン)
今回もネコの歯周病の症例を紹介します。
飼い主さんが、よく口にする症状として
「口臭が気になるんですけど」
「食べる時に頭を振る」
「口をくちゃくちゃする」
などが代表的です。
これって、単なる歯肉炎なのでしょうか?
歯石除去だけすれば治るのでしょうか。
答えはNOです。
犬や猫は単なる歯肉炎程度では、症状を表しません。
そこが問題なのです。
その原因を探るためには、レントゲンが必須です。
レントゲンを撮るためには、麻酔が必要です。
ということは、歯科処置には麻酔が必須と言うことです。
今回の症例は、中等度の歯肉炎は起きています。
よく見ると、歯冠の表面に歯肉が覆っているのが確認できます。
と言うことは、歯冠のとけた部分(ネックリージョン)を補うために歯肉が上ってきたことが予測できます。
こうなると、レントゲンの出番です。
あらゆる角度から撮影し、歯冠や歯槽骨の吸収像を確認します。
これにより、確定診断を下し、手術に入ります。
このネコは、若いながら重度の歯周病とネックリージョンのため抜歯になります。
レントゲンで確認しないで、歯石除去だけ行なっても、病気は絶対に治りません。
何度もいいますが、歯科処置にはレントゲンが必須です。