猫の口内炎 | ナス動物病院
猫の口内炎
今回は現在、治療中の猫の口内炎の症例を紹介したいと思います。
年齢は10歳、エイズウイルスが陽性
過去、数年間、口内炎に悩まされ、主治医にてステロイドを中心とした
内科療法を行われていたようです。
最近ではステロイドの効果が薄れてきたということで、抜歯を検討されていました。
オーナーさんは、病気への理解度が高く、全臼歯抜歯を行なうことになりました。
写真は術前の様子です。
手術、1週間前にはステロイドの投与を行いましたが
歯と接触している部分が大きく腫れあがり、簡単に出血してしまいます。
ステロイドによる効果はありません。
手術は犬歯以外の歯をすべて抜歯することから始めます。
その後、炭酸ガスレーザーにより、赤く腫れている部分を蒸散し、治癒を早めます。
レーザー照射により、早期の痛みの緩和が期待できます。
次の写真は術後の写真です。
黒くなっている部位は蒸散を、赤い部位の表面もレーザー照射をしています。
術後2日間、入院、点滴を行い、その後、自宅にて経過を見ました。
次の写真は、1週間後の写真です。
無麻酔で口を開けても、大丈夫。
どうですか、この回復力の凄さ。
ちなみに、この子はエイズウイルスが陽性です。
全ての猫たちが、このように劇的に回復しませんが、7割以上の確率で良くなることは確実です。
こんなネコちゃんを診察していると、抜歯がいかに重要か伝えたくなります。