ミュータンス菌 | ナス動物病院

ミュータンス菌

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 今週もお気に入りのコラムからの抜粋を。 

  「まず歯垢が悪者であることを伝える」      
   岡崎 好秀(岡山大学歯学部附属病院小児歯科 講師)

 ミュータンス菌、40分間に1回分裂したならば・・・・。

 間もなく、むし歯予防週間である。
 今回はむし歯の原因について述べることにする。
 むし歯は、口の中のミュータンス菌が、砂糖を食べて酸を出す。
 この酸によって、歯が溶かされむし歯ができる。

 ところでミュータンス菌に、最高の条件を与えれば40分間に1回分裂し2個となる。
 40分が一世代なのだ。そして80分後に、再度分裂し4個となる。

 さて歯垢1g・・・すなわち1円玉の重さには約10の11乗の細菌が存在する。
 この菌数は、ヒトの糞便1gの約3倍の細菌数である。
 さて読者の方、臼歯部の舌側を舌でなめていただきたい。
 もし、ヌルヌル・ザラザラしていたら,糞便の3倍の菌をなめたことに相当するのだ。
 
 ちょっと、ここで単純計算してみた。
 1個のミュータンス菌が40分に一度分裂すると仮定すると、
 1g(10の11乗)になるのに約24時間40分。
 この調子で増加すると、1kgになるのに31時間。
 そして、1tになるのに38時間。
 さらにジャンボジェット機は180tだから、約43時間。
 何と!世界最大級のタンカー(バティラス号 フランス)は、
 全長400mで54万2,400tであるから、50時間後に達成することになる。
 これだけの細菌となると、顎がはずれるどころではない。
 でもどうして実際には起こらないのか?
 これは単なる数字のマジックだ。
 この理由。
 それはミュータンス菌のエサである砂糖がそれだけ存在しないためである・・・・。

ちなみに、イヌでは虫歯は、ほとんどありません。
犬にもっとも多いものは、歯周病 です。
犬は人間よりずっと唾液のアルカリ度が高く、歯石になりやすいのです。
歯石があると、『歯周病』になりやすいんです。


060501