猫の口内炎の手術(全臼歯抜歯) | ナス動物病院

猫の口内炎の手術(全臼歯抜歯)

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今回は、猫の重度口内炎において、全臼歯抜歯が非常に効果的だったケースを紹介します。

この猫は、6歳の日本猫で生後、慢性の口内炎に悩まされ、他院でステロイドによって治療されていました。

今回、当院のホームページを見て、今後の治療について相談を受けました。

初診での写真です。

 

上顎・下顎共に非常に激しい炎症があり、歯肉に触れるだけで簡単に出血しました。

今まで数年間、内科的な療法を継続されてこの状態です。

これまでの治療経過を考えると、内科的治療には限界を感じます。

そこで今回は全顎抜歯による治療を提案し、手術を行いました。

方法としては、抜歯を行った後、炭酸ガスレーザーによって、炎症部位を蒸散しました。

手術直後の写真です。

そして先日、手術をして1ヶ月での経過を見せていただきました。

下が、その時の写真です。

口を開くなり、思わず凄いと、感動しました。

口腔内の再生能力とは非常にすばらしいものです。

とても、同じ猫の写真には、見えないですね。

今回の症例は、抜歯が非常に効果的であった症例です。

毎回、このような結果になるわけではありませんが、高確率で改善されます。

重度口内炎で悩んでいるネコちゃんで、内科療法のみを継続されているオーナーさんは

ぜひ、全額抜歯を考慮してください。

ただし、非常に技術を伴う手術となりますので、

全額抜歯手術の経験がない動物病院では、手術を避けられた方がいいと思います。