ネコの口内炎 | ナス動物病院

ネコの口内炎

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今回は最近の症例について1つ取り上げます。

このネコは、2年前から口内炎で他院に通院していました。
1ヶ月に1回、長期型ステロイドを投与しないと、口の痛みが治まらないという症例です。
投与開始時期と平行して、全身の脱毛が現れ、来院された時には、かなり薄くなっていました。
口腔内を見ると、ステロイドの使用にもかかわらず、重度の口内炎と歯周病があり、
残っている歯は8本に減っていました。
レントゲンで確認すると、歯冠の部分が融けていている歯が歯肉下に何本か確認でき、
ネコに特有のネックリージョンでした。

脱毛の原因は、検査の結果、医原性クッシング(ステロイド注射の使いすぎ)です。
この症例のように、口腔内の痛みを止めるために、ステロイドは一番よく使用されるお薬です。
しかし、長期投与によって、副腎皮質機能亢進症、糖尿病などの副作用が必ず出るものだと理解してください。

上記の症例はその典型的なものです。

この症例は、ステロイドを完全にやめるために、全顎抜歯を行いました。
このようなケースは、口内炎で通院するオーナーさんの、ほとんどが当てはまります。
早めに、外科手術を考えることが必要です。


041115