左ヒラメに右カレイ | ナス動物病院

左ヒラメに右カレイ  

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 今回もいつものコラムからです。

 “左ヒラメに右カレイ”とは、ヒラメとカレイの見分け方であることは有名
 だ。両者ともカレイ目に属し、腹を手前に置いて左に顔があるのがヒラメ、
 右にあるのがカレイである。

 ところがカレイの仲間でも、左に顔があるものもいるから話しはややこしい。
 ヌマガレイがそうだ。さらに面白いことにこのカレイ、アメリカ西海岸では
 左に顔のあるものが50%、ところがアラスカ沖では70%、それが日本で
 は100%となるのである。

 “左ヒラメ”に“右カレイ”は、万国共通ではないのだ。

 それではヒラメとカレイを見分けるには、どうすればよいか?
 実は、両者の顔を見ればわかるのだ。ヒラメは、口が裂け怖い顔をしている。
 一方、カレイはおちょぼ口でやさしい顔である。

 もう一つの大きな違い。それは歯である。ヒラメの歯は大きく尖っている。
 しかしカレイの歯は小さい。

 これらの差は、両者のエサの違いに起因している。ヒラメは、イワシやアジ
 を食べる。そのためには大きくて強い歯が必要だ。また肉食だからどう猛な
 顔になる。

 それに対してカレイは、イワムシやゴカイを食べている。だから歯も小さく
 てすむ。

 それぞれの食べ物の差が、歯の違いであり顔の違いとなって現れる。ちなみ
 に、ヒラメのことを瀬戸内沿岸では“おおくち”と呼び、東北日本海沿岸で
 はカレイを“くちぼそ”と呼ぶ。

 サカナにまつわる歯の話は、まだまだ多い。

 釣りの時“引きの強いサカナほど口元がおいしい。”と言われる。たとえば
 イシダイ。サザエの殻でも音を立てて噛み砕く。これは歯が丈夫なだけではな
 く、咬む筋肉も発達しているためである。よく使う筋肉は、引き締まっている
 から美味しい。

 また夏の京料理の代表“ハモ”。これもずばり“歯”から来ている。ハモも歯
 が鋭く、頭を切り落としても、咬みついてくるからだ。

 逆に歯が弱いことから名づけられたサカナもある。サバは“小(サ)さい歯”
 から来ている。それにイワシは弱い魚(鰯)と書く。イワシは、口が弱いから
 当たりがあったらゆっくりリールを巻かないと顎が外れてしまう。

先月、超音波エコーの新型を導入いたしました。
より良い診断ができると思います。
次は炭酸ガスレーザーの導入を考えています。