遺伝子操作で「緑色に光る猫」、エイズ治療に道 | ナス動物病院
遺伝子操作で「緑色に光る猫」、エイズ治療に道
今回はウイルスの話題を1つ紹介したいと思います。
私は大学当時(20年以上前ですが)ウイルス学研究室に所属していました。
その当時、ネコエイズウイルスが発見され、話題になりました。
あれから、猫エイズワクチンが開発されるのに、20年以上の歳月がかかりました。
基礎研究は非常に時間がかかるものだと、改めて思いました。
米国の研究チームがこのほど、遺伝子操作により、
猫のエイズを引き起こす猫免疫不全ウイルス(FIV)に耐性のある細胞を持った
「緑色に光る」猫を生み出した。
科学誌「ネイチャー・メソッズ」に11日掲載された今回の研究では、
FIVを抑える働きを持つサルの遺伝子を猫の卵母細胞に注入し、その後受精させた。
加えて、遺伝子操作を行った部分を容易に判別できるよう、クラゲの遺伝子も組み入れた。
これにより遺伝子操作された細胞は緑色を発色する。
その結果、遺伝子操作された卵母細胞から生まれた猫の細胞を採取したところ、
FIVへの耐性を示したという。
また、これらの「耐性」を持つたんぱく質は、猫の体内で自力で作られていた。
また、遺伝子操作した猫同士を交配させたところ、
生まれた8匹の子猫にも操作された遺伝子が引き継がれていた。