症例
ネコの犬歯の内歯瘻
このホームページに感心を持って頂いて、有り難うございます。
今回は日常の診察で時々観察される、内歯瘻について紹介します。
簡単に説明すれば、歯の根元に感染を起こり、膿がたまり
膿の逃げ場所がなくなり、歯肉に穴が開いてしまう病気です。

このネコの場合は、事故により犬歯が折れてしまい、
数年後に、内歯瘻になってしまいました。
治療は歯を残したいのであれば抜髄して修復
もしくは抜歯となります。
ちなみに、私も去年、内歯瘻になりました。
原因は10年以上前の虫歯治療の失敗です。
レントゲンで確認したところ、
抜髄処置の時に、ファイル(歯髄腔を掃除する針)が折れて残っていたようです。
まさか、今になって内歯瘻なんて?
思わず、以前通院していた、歯科医の先生の顔が浮かびましたが
今となっては、かかりつけの病院で治療中です。
重度の歯周病
歯周病の手術を行うときに、「何本ぐらい抜きますか?」と質問を受けます。
この返事が、とても難しいことなのです。
当然、歯は骨の中に埋まっています。
実際、見た目だけでは判断できず、
歯科レントゲンを撮らないと何もわかりません。
人の歯科医院でも、まず最初に口腔内のレントゲンを必ず撮ります。
これにより、今までの治療歴・歯周病の程度・埋没歯や
過去の歯科治療の失敗など、簡単に確認できます。
それほど、歯科レントゲンの依存度は高いのです。
そうなると、極端な話「1本から20~30本ぐらい抜歯かな?」
と答えざるおえません。
今回は、最初から下顎の犬歯以外すべて抜歯を予定した頭部のレントゲンを紹介します。
下顎の骨が歯周病により、骨折が起こるぐらい吸収されているのが確認できます。


猫の口腔内腫瘍
今回は猫の口腔内疾患の症例を紹介します。
猫の重度口内炎は、ヘルペス・エイズ・白血病ウイルスなどのウイルス関連や、
細菌、腫瘍、原因不明(自己免疫疾患など)さまざまな原因があります。
その中で、初期腫瘍は、普通の口内炎と見間違えることがあります。
ある程度経過すると、いかにも悪そうな顔をしますが、時に歯槽骨に進入し
発見が遅れることもあります。
疑わしい場合、病理検査と歯科レントゲンが必要です。
今回は扁平上皮癌の写真を紹介します。

今回は病理検査のため腫瘍を切除後、レーザー蒸散、患部抜歯後、縫合をして、検査結果を待ちました。

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口腔内に現れる腫瘍はメラノーマ・線維肉腫・扁平上皮癌など高確率で超悪性の腫瘍です。
種類によって、動向は違いますが、大悪党に間違えありません。
ネコの臼歯の疾患
今回はネコの咬合異常のとても珍しい症例です。
年齢は生後半年。
写真で示すように、両方の上顎臼歯が常に下顎の歯肉に当たり
歯肉が腫れ上がっています。

一般的には、抜歯を選択しますが、
もちろん、歯冠切除し修復を行いました。

歯科テクニックを覚えると、このような状態でも術後の痛みもなく対処できます。
あくまでも抜歯は最終手段です。
切歯の破切
今回の症例は、7歳の日本犬です。
「切歯に触れると痛がる」ということで来院されました。
見た目には、普通なのですが

実は

歯頚部から、破折していました。
歯頚部の吸収がないことから、外傷による破折と診断しました。
レントゲンで根尖病巣が確認されたため、抜歯しました。
臼歯の破折
今回は修復不可能な破折症例を紹介します。
破折部位は第4前臼歯で、1番よく起こるところです。


臼歯が完全に縦割れを起こし、 修復が不可能と判断しました。
このような場合、遠心根のみを残すことは可能ですが
抜歯を選択しました。
犬歯の修復
今回は、犬歯の修復についてお話します。
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犬の口腔内トラブルで多いものに「破折(はせつ)」と「咬耗(こうもう)」があります。「破折」は外部の力によって歯が折れてしまうこと、「咬耗」はものを噛む時に歯と歯や、歯と硬いものがこすれあい、歯の表面(エナメル質や象牙質)が磨り減ることを言います。 咬耗は犬歯をはじめ多くの歯で見られます。 老化によって徐々に起きる場合もありますが、硬いものを噛んだりし、サッカーボールやテニスボールを長期間、咬み続けた結果、多くの歯が咬耗してしまった例もあります。 今回の症例は、ゲージの中に入れると、金網を咬んでしまう、俗に言うゲージバイトのワンちゃんです。 破折や咬耗によって歯髄が露出すると、強い痛みがするとともに、そこから雑菌が侵入し、新たなトラブルを引き起こします。歯髄が露出してしまった場合は治療が必要です。 |
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レントゲン検査により、根尖部に病巣が認められないので
修復を行いました。

乳歯抜歯
乳歯の抜歯について、よく質問を受けます。
いつ頃、乳歯を抜いたらいいのか?というものです。
乳歯の抜歯時期としては6ヶ月を目安としています。
犬種や成長状態によって、多少の違いはあります。
この時期は、避妊・去勢手術の時期とも重なるため、
避妊・去勢手術のついでに、乳歯抜歯をお勧めしています。
乳犬歯の抜歯程度であれば、1本2分程度です。
歯の崩出状態によっては避妊・去勢手術を遅らせることもあります。
大切なのは、その乳歯を抜く必要があるか、確認することです。
そのためには、術前のレントゲン検査が必要です。
乳歯は抜いたけど、その下に永久歯が無かったなんてミスにならないためです。
以下の写真は、乳歯抜歯を行なったものです。

ここまで乳歯が残ることは少ないですが
乳歯遺残は普通に見られる状態であって
特別ではありません。
乳歯は早めに抜いてあげましょう。
歯の修復
今回は歯の修復に関係した症例を紹介します。
この症例は、歯石除去と乳歯抜歯のために来院されましたが
検査の結果、上顎第4全臼歯の破折が見つかりました。
破折の時期がわからないので、レントゲンで精査し、可能であれば保存を希望されました。
そのときの画像です。
2枚目の画像は、破折部位を取り除いた後の様子ですが、
表面には多量の歯石が付着していました。
ということは、かなり前に破折が起こったということになります。


このような場合、処置方法としては
①抜髄後に修復する。
②抜歯する。
の選択となります。
人では相当な理由(重度の歯周病など)が無い限り、当然のように抜髄して修復を行いますが
ペットの場合、経済的、技術的な面を考えて、当たり前のように抜歯になります。
特に臼歯の抜髄は、歯科臨床の中でも、とても難しい処置になります。
全国でも対応できる病院は非常に少ないと思います。
今回は犬の年齢が若いこと、経済的な余裕のあるオーナーさんでしたので
抜髄後、修復を行いました。
次の写真は、表面の歯石を取った様子です。
出血が確認され、露髄していることが確認されました。

次は、処置前の確認のレントゲンです。
歯周病巣は確認できず、保存可能と判断しました。

修復後の写真です。

今後は定期的なレントゲンでの確認が必要になります。
歯の発育障害
最近、よく見かけるのが歯の発育障害です。
人間のように、笑顔を気にする必要がないので
歯の本数が、多くても少なくてもさほど問題にはなりませんが
場合によっては、処置の必要性があります。
今回、紹介するのは犬歯の埋没。
現状では何の問題もありません。



レントゲン検査では立派な犬歯が確認できます。
最近では超小型犬種が人気を集めています。
体は小型化していても、歯の大きさは、それに伴っていません。
その辺のギャップが、このような障害を生み出しているのでしょうね。
その辺は、小顔の子供が増えた現代社会と同じですね。
今後の経過観察が必要です。
猫の口内炎
今回は現在、治療中の猫の口内炎の症例を紹介したいと思います。
年齢は10歳、エイズウイルスが陽性
過去、数年間、口内炎に悩まされ、主治医にてステロイドを中心とした
内科療法を行われていたようです。
最近ではステロイドの効果が薄れてきたということで、抜歯を検討されていました。
オーナーさんは、病気への理解度が高く、全臼歯抜歯を行なうことになりました。
写真は術前の様子です。
手術、1週間前にはステロイドの投与を行いましたが
歯と接触している部分が大きく腫れあがり、簡単に出血してしまいます。
ステロイドによる効果はありません。



手術は犬歯以外の歯をすべて抜歯することから始めます。
その後、炭酸ガスレーザーにより、赤く腫れている部分を蒸散し、治癒を早めます。
レーザー照射により、早期の痛みの緩和が期待できます。
次の写真は術後の写真です。

黒くなっている部位は蒸散を、赤い部位の表面もレーザー照射をしています。
術後2日間、入院、点滴を行い、その後、自宅にて経過を見ました。
次の写真は、1週間後の写真です。
無麻酔で口を開けても、大丈夫。

どうですか、この回復力の凄さ。
ちなみに、この子はエイズウイルスが陽性です。
全ての猫たちが、このように劇的に回復しませんが、7割以上の確率で良くなることは確実です。
こんなネコちゃんを診察していると、抜歯がいかに重要か伝えたくなります。
犬歯の破折修復
今回は大型犬の犬歯の破折の症例を紹介します。
破折の原因は不明ですが、これだけのサイズの犬歯の破折はあまり起こりません。
破折後、時間の経過はありましたが、年齢が若いということ、経過が悪ければ抜髄処置
を行う条件で、歯髄の保存療法を行いました。

写真のように、中心部が露髄しており、歯の変色が見られます。
このままの、位置での修復は感染、破折が起こるために、
肉眼的に歯髄が健康である位置まで、切削し歯冠の短縮を行いました。
その後、レーザーで歯髄を蒸散し、歯冠修復を行いました。

この症例では5ミリ程度、歯冠をカットしています。
破折から、治療までの期間が短ければ、確実に歯を残すことが可能です。


