未分類

歯の発育障害

最近、よく見かけるのが歯の発育障害です。
人間のように、笑顔を気にする必要がないので
歯の本数が、多くても少なくてもさほど問題にはなりませんが
場合によっては、処置の必要性があります。
 
今回、紹介するのは犬歯の埋没。
現状では何の問題もありません。
 


 


 


 

レントゲン検査では立派な犬歯が確認できます。
最近では超小型犬種が人気を集めています。
体は小型化していても、歯の大きさは、それに伴っていません。
その辺のギャップが、このような障害を生み出しているのでしょうね。

その辺は、小顔の子供が増えた現代社会と同じですね。

今後の経過観察が必要です。

歯瘻(しろう)

症例を1つ紹介します。

ダックスの8歳の男の子
歯周病の処置に来院されました。

ここで問題となるのは、第1全臼歯の上にある、赤いふくらみです。

これは、歯瘻といわれる、歯の疾患に由来する化膿性病巣が、

口腔粘膜や皮膚に穴を開けた状態をさします。
歯周炎から根尖膿瘍を形成して瘻孔を形成する場合が多いです。

簡単に言えば、歯の根元に膿がたまり、出口を歯肉に作ってしまった病気です。

抜歯の適応となり、完治します。

猫の重度口内炎

今回は猫の重度口内炎の症例を紹介します。

この子は15歳の日本猫です。

以前より、口臭がきつく、食べる時に、とても痛がると言うことで来院されました。

年齢のことも考慮して、内科的な方法を希望されたので、とりあえず注射での治療を行いました。

しかし3週間後、再発とのことで、外科手術をお勧めしました。
 

写真は手術時のものです。
 

犬歯が破折しています。
 


 

上下顎の歯石の量が多く、咬合が上手くいきません。

歯石との接触性口内炎が疼痛の原因でした。

この写真の3日前に消炎剤を投与しているので、炎症がかなり落ち着いていました。
 


 

上の写真は抜歯後、レーザーによる蒸散を行なったものです。

この症例は犬歯と問題となった臼歯の抜歯を行ない、レーザーで歯肉の蒸散を行いました。

もちろん数日後には、完治しました。

高齢の猫でも口腔内の治癒はとても早いです。
 

麻酔のリスクも、もちろん高いのですが、抜歯によって完治できる症例はとても多いと感じています。

実際、当院での歯科処置の年齢は10歳以上が圧倒的に多いです。

高齢を理由に歯科処置をあきらめている方は、御相談ください。

歯周病の予防

動物の歯にも人間と同じように、プラーク(歯垢)や歯石が溜まります。歯に溜まったプラークや歯石は歯肉炎や歯周病の原因となったり、体内に入ったバイキンが病気を引き起こす原因となったりします。
そんな病気を防ぐ為にも普段から歯磨きの習慣をつけたいものですが、どうしても歯磨きをさせてくれなかったり、また歯磨きをしてもプラークが溜まってしまう場合には、定期的な歯石、歯垢の除去をお勧めします。
人間の場合と違って、ペットの歯石、歯垢の除去は全身麻酔をかけて行います。ここでは安全に行う為の検査から、除去後の飼い主さんへのフォローなど、一連の予防歯科処置について、その手順をご説明します。

予防歯科処置

(目的) 歯肉縁上・歯肉縁下プラーク(歯垢)・歯石の除去
プラーク再付着遅延のための歯面の研磨
(手技)
1)全身麻酔に関わる一般的な検査(血液検査・心電図など
2)全身麻酔処置(人工呼吸器・ガスモニターを必ず使用)
3)口腔内の洗浄
4)歯石(歯肉縁上歯石、歯肉縁下歯石)除去(スケーリング)

歯肉縁上の歯石(歯冠に沈着しているみえる部分の歯石)の除去が終わったら、歯肉ポケット内に隠れている歯肉縁下歯石の除去を行います。
5)抜歯(残存乳歯や動揺歯など)
残存乳歯や動揺歯など、抜歯の対象となる歯の抜歯を行います。
6)歯周ポッケットの洗浄
歯石の除去や抜歯が終わったら、歯周ポケットの清掃を行います。歯根表面を掻爬し、軟化したセメント質や汚れを掻き出し、根面を平滑にしておきます。続いてポケット内の歯肉表面も掻爬し、きれいにしておきます。
7)研磨(ポリッシング)
歯石除去を行ったあとの歯冠表面は、取り残した細かい歯石などでざらざらしているので、ブラシやラバーカップ、2種類の研磨剤を用いて表面がスムーズになるように研磨します。
8)中性殺菌水による洗浄(口腔内と歯肉溝や歯周ポケット)
一連の作業が終わったら、歯肉溝や歯周ポケット内の洗浄を丹念に行います。除去した汚れや研磨剤などが残らないようによく洗浄します。
9)フッ素塗布
表面を乾燥し、歯面を強化するため、フッ素を塗布します。
10)歯周ポケットへの薬剤の注入(貼薬)
深い歯周ポケットの中に抗生物質軟膏などの薬剤を注入しておきます。
11)抜歯を行う場合は処置前から抗生物質の投与を行い、術後数日間、継続投与します。
12)ブラッシング・マッサージの指導
術後は定期的に観察し、治療効果の確認と歯磨きなどの指導を行います。
麻酔時間はおよそ1時間30分です。
予防歯科処置以外の処置(腫瘍の疑いのある場合での細胞診断・口腔外科・保存修復など)に伴い、時間的・費用的に違います。

当院では日本小動物歯科研究会のレベル4認定医が責任をもって歯科処置を行います。

ページトップへ